2025.04.01
ビヨンドボーダーズ新体制へ―社長交代の背景とこれからの展望
海外不動産メディア事業、および海外不動産販売エージェント事業を展開する株式会社ビヨンドボーダーズは、2025年3月31日をもちまして、遠藤忠義が代表取締役社長を辞任し、2025年4月1日付けで本間陽介が代表取締役社長に就任致しました。
2015年、ビヨンドボーダーズ設立から社長を務めてきた遠藤が、なぜそのバトンを繋ぐのか。
社長交代の理由、本間が引き受けた思い、今後の遠藤の会社への関わり方、そしてビヨンドボーダーズが次に目指していくフィールドなど、いきさつを遠藤忠義、本間陽介にインタビューしていきます。
遠藤:まずは、3月末をもってビヨンドボーダーズの代表取締役を退任、株式会社じげんの籍も退職することになります。
突然のお知らせに、驚かれたお客様・取引先の方もいるかもしれませんし、ビヨンドボーダーズが今後どのような経営体制になるのか気になる方もいるかもしれません。
これからこの場を借りて追ってお話させていただきますが、4月以降もビヨンドボーダーズの顧問として業務委託の形で海外不動産事業をサポートさせていただく予定ですので、まずそこはご安心ください。
本間:心強いです。よろしくお願いします。
経営交代の背景と理由
遠藤:まずは社長交代の理由について。
ビヨンドボーダーズを創業した時から「世代を跨いでいくような事業・経営がしたい」と考えていました。
今年で創業して丸10年の節目を迎えますが、実は少し前から次の世代にバトンを繋ぐタイミングを考えていて。なので最近は、創業者である自分の意見を強く出して決めていくというよりは、いろんな意見を聞きながらより良いものが生まれたらいいなと思って、自身が介入する点を減らし、見守る形をとっていました。
そんな中、昨年度の初めに新ボード体制となり、本間さんをはじめとした今の経営陣の方々と日々悪戦苦闘しながらも共に多くの時間を過ごし、日に日に「このボードメンバーであれば自分がいなくても自分以上にしっかりと会社を成長させてくれる」と確信を持つようになりました。
実際、社員の皆さんの頑張り・じげんグループの心強い支援・多くのお客様とお取引先のお陰で、今期は過去最高の業績で着地する予定です。そして4月以降も更なる成長を予定していて、このタイミングなら安心して引き継ぐことができると思ったんです。
本間:そうですね。実際今期はかなり好調でして、具体的な数字は控えますが、売上高は昨年の1.6倍、営業利益でいうと4倍といった業績になっております。
この波を逃さず引き継いでいきたいです。
変わること・変わらないこと
本間:ビヨンドボーダーズとしてこれまで培ってきた組織カルチャーみたいなものはすごく素敵なものだと思うので、そこは変わらずに引き継いでいきたいなと思っています。
一方で、変わることというか、変えることみたいな点で言うと、2022年8月にじげんグループに入ってから、上場企業のグループ会社として、ガバナンスであったり、しっかり会社として足腰を強くしていきましょうといった土台の強化がメインだったと思っていて。
ビヨンドボーダーズのコアバリューにBe Daringってあるじゃないですか。
あれって日本語に直訳すると「大胆不敵」などと言ったりしますけど、今後の事業拡大に向けた大胆な投資みたいなところは今まであんまり出来ていなかったなと、直近1年間一緒に働かせていただいて思ったところなので、今後はその「大胆な攻めの投資」を行っていくことが、大きな変化になると思っています。
去年の7月に、ビヨンドボーダーズは海外不動産事業と人材紹介事業の二つだったところから会社分割の末、人材紹介事業に関しては、同じくじげんグループ内で株式会社アップベースに統合しました。
ビヨンドボーダーズとしては、より海外不動産事業に経営資源をフォーカスできる環境が整ったと思っているので、今後のビジョンとして「越境不動産取引においてアジアを代表するプラットフォーム」を目指していきたいと思っています。
事業展望と成長戦略
本間:先ほど伝えたビジョンの上で、次どこにフォーカスしていくかというところなのですが、現在考えているのは大きく4つあります。
既存事業でいうと、1つは組織。
コアの人材採用というところで、来期は30人近く採用したいと考えています。
並行して、実際に集まっていただいた仲間に対して、その能力を引き出すような人材開発というところにもしっかりと投資をしていきたいと思っています。
2つ目にマーケティング。
これまでは新規でご興味を頂いたお客様にサービスを提供するところがメインだったのですが、今期はサービス品質の向上などもあり、リピート購入や、お客様からのリファラルでお客様をご紹介頂いたりすることも多く、今期その割合は全体売上の約4割を占めました。そのため、今後は既存顧客のお取引も増やしていけるような取り組みにも力を入れていこうと思います。
3つ目は海外物件の仕入れ。
現在は東南アジアを中心とした1000万円〜3000万円ほどの不動産をメインにご案内してきましたが、もう少し高価格帯の物件の取り扱いも検討しており、エリアを拡大しアジア圏以外の海外物件の仕入れも現在進めているところです。
4つ目は新規事業で、これは、インバウンド事業ですね。
これまで日本のお客様に海外の物件を購入いただくのがメインだったところから、海外のお客様に日本の物件を購入いただく事業を強化していきたいと考えています。
具体的には3月付けでインバウンド事業推進室を新しく新設しており、既にその責任者や専任の営業担当の方も入社が決まっています。この事業は今後3年で既存事業のアウトバウンド事業と同じように、ビヨンドボーダーズの柱になるような事業だと思うので、しっかりと投資していきたいと思っています。
ビヨンドボーダーズへの思い
遠藤:これから本間さんを中心とした新しいメンバーで新しいことを創造してほしいという思いが前提で、今後も越境不動産領域はめちゃくちゃ伸びると思うので頑張ってほしいという気持ちが、一番ですかね。
当社がターゲットにしてる「不動産」は大きなマーケットだと思います。その中で「クロスボーダー」というのは非常にニッチ。
不動産市場全体があまりにも大きすぎるので、ニッチでも相当な規模の市場になっています。且つそれが多くの業界でも起きているグローバル化と同様にどんどん拡大していっている。
まだ周りが気付いていない面白い領域なので、この可能性にワクワクしながら会社と一緒に成長してほしいと思います。
本間:そうですね。ビヨンドボーダーズという会社がなぜ10年間続いてきたかと考えた時に、社名でもある「ビヨンドボーダーズ=越境取引」という所にフォーカスしていることが結構大きいのかなと思っていて。
その旗を掲げてるからこそ、そこに面白いと思って優秀な人たちが集まってきていて、サービスの価値提供をできている会社なのかなと個人的には思っています。
なので、これからもこの旗を掲げて価値提供することは今後も続けていきたいと思っています。
また、遠藤さんがこれまで作ってきた事業であったり、組織に関しては本当に素晴らしいと思っているので、そこをしっかりと引き継ぎながら、ビヨンドボーダーズのミッション実現に向けてさらに成長させていきたいと考えています。